10/27の日記にcocoroさんからコメントをいただきましたが,私が退院後,インフルエンザの予防注射を受けなかった理由について書いているうちに,コメント欄に収まり切らなくなってしまったので,こちらにコメントごと再掲します。
---------------コメント引用開始------------
No title
キチンハート様
お元気ですか?
腎臓の機能を見るのには、推算GFRというのがありますよ。
キチンハートさんはおそらく経過観察ということになるのではないでしょうか。
ところで今年はインフルエンザワクチンの接種はされたのですか?
私はやはりしたほうがいいと思うのですが。
2010/12/12(日) 22:57 | URL | cocoro #w2OyTPPU[ 編集]
No title
cocoro様
コメントありがとうございます。
「推算GFR」という言葉,初めて聞きました。参考になりました。ありがとうございます。
インフルエンザの予防注射は今年も受けませんでした。インフルエンザワクチンの効果については,「有効だが有用でない」説
http://www5.ocn.ne.jp/~kmatsu/seijinbyou/148infuruenzawakutinn.htmが現在の所,私には一番説得力を持つ議論に思えます。
また,毎年打ち続けると,効果がなくなるという話も聞いたことがありますし,「予防効果はないが,重症化を防ぐ効果は期待される」とも言われています(これまでさんざん予防効果有りと言ってきた医学界が,ワクチンが不足したとたんに,正確な表現を使い始めたことにも,裏の意図を勘ぐりたくなります)ので,私自身は,強毒性の鳥インフルエンザが出てきたら,重症化を防ぐ効果に賭けて,接種しようと思っています。
2010/12/13(月) 00:28 | URL | キチンハート #-[ 編集]
No title
キチンハートさんが紹介されている文章を読みました。
健康な人は必ずしも受ける必要はないようですね。
ただ調べてみるとWHOなどはハイリスクの人へは接種を勧めています。
弁膜症や感染性心内膜炎の既往がある人については不明ですが、私は用心のために受けてよかったかなと思います。
2010/12/17(金) 01:00 | URL | cocoro #w2OyTPPU[ 編集]
----------コメント引用終わり--------------------------
cocoroさん
コメントありがとうございます。
せっかくですから,この機会にワクチンに対する私見をもう少し述べてみたいと思います。
世界的にも,少なくとも高齢者に対しては,ワクチンが効果的だと考えが主流のようです。前回ご紹介した近藤医師が挙げているようなくじ引き試験はそう簡単には行えないため,ワクチンの効果については決定的な証拠がありませんが,状況証拠的には,有効性を示すものが増えつつあるように思えます。最近でもこれまで「ない」とされてきた,2歳未満の小児に対するワクチンの効果が「ある」との報告がありました。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/201012/517618.htmlhttp://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(10)70255-3/abstract近藤医師も「有効である」という所までは認めています。その有効率ですが,年度や研究グループによる値のバラツキは当然ありますが,大体の所,80%くらいのようです。近藤医師が挙げた英国でのくじ引き試験の結果も80%ですので,この例で考えると,非接種群の発症率が14.8%なのに対して,ワクチン接種群は2.9%でした。1000人中148人がインフルエンザに罹る所を,ワクチンによって,148-29=119人が免れたので,有効率119/148=80%となります。有効率80%というと,非常に有益に感じますが,ワクチンによる利益を得たのは,1000人中119人(11.9%)という言い方も出来ます。仮に近藤医師の「しかし,有用でない」という部分を信用しないとしても,ワクチンによる利益を得るのが接種者の1割程度というのは,私には微妙な数字に思えます。
しかし,去年の私は,「今シーズンだけは,たとえ1%でも感染確率を下げたい」という思いでしたから,もし入院中に接種してもらえたなら接種してもらったでしょう。しかし,改めて町医者に出向いて打ってもらうと,待合室でインフルエンザを初めとする様々なウイルスに感染する確率が1割以上あるような気がしたのと,失う時間と費用と注射の恐怖を考え合わせ,私はやりませんでした。ちなみに,入院中,医療従事者は新型インフルワクチンの優先接種権がありましたが,一人の看護師さんに受けたかどうか聞いてみると,受けなかったとの答でした。理由を聞くと「注射が苦手」とのことでした。「ひとの腕には針を刺しまくっているくせに」と言うと,他人にするのは平気でも自分がやられるのはイヤ」とのことでした。┐( ̄ヘ ̄)┌
それに,私の子供の頃は学童強制接種の時代でしたが,強制接種をやめてから,インフルエンザの患者が急増したという感じはしません。(高齢者の死亡が増えたという話はあるようですが,単に抵抗力の弱い高齢者が増えただけという反論もあって,私も反論の方に説得力を感じます。)
http://www.sih.jp/news/kenkou/no28.htmまた,インフルエンザの流行がなかったマダガスカルに2002年に外部からウィルスが初めて持ち込まれたときには,致死率が通常の20倍の「2%」に及んだそうです。
http://sankei.jp.msn.com/science/science/101217/scn1012170316000-n1.htmこういう話を聞くと,究極のインフルエンザ対策は「ときどきインフルエンザに罹ること」であるような気さえしてきます。
しかし,これはあくまで素人の私が不十分な情報の中で下した判断ですので,絶対正しいなんて思っていませんし,新たな証拠が出てくれば,考えが変わるかも知れません。なので当然,他の人に勧めているわけでもありません。むしろ他の人にはワクチン接種を受けて欲しいと思っています。なぜなら,もし,皆が私のように接種しなくなったら,日本のワクチン製造技術の維持,発展が出来なくなってしまうからで,それはいざというときに困ります。^^;
いずれにせよ,インフルエンザは怖いので,私自身は「歯磨き」のインフルエンザ予防効果に期待して,せっせと歯を磨いています。
http://www.asyura2.com/07/gm14/msg/328.htmlhttp://sankei.jp.msn.com/life/body/100206/bdy1002061651002-n1.htmインフルエンザ抜きでも,感染性心内膜炎の既往者としては歯磨きは重要ですし。
長々と失礼しました。
2011年1月18日 追記:
2010年12月30日付けの読売新聞によると,高濃度のインフルエンザワクチンを鼻の内側の粘膜に噴霧すると、従来の注射型ワクチンでは難しかった感染防止効果が出ることが確かめられたそうだ。
従来のワクチンは,インフルエンザウィルスの侵入・増殖の一番肝心な上咽頭部の粘膜に抗体を作らなかったので,いわば,玄関を開けっ放しにして,戸締まり用心と言っているようなものだったと思うが,このワクチンでは鼻粘膜中に抗体を作れるようだ。これには期待できるかもしれない。
しかし,素人の素朴な疑問だが,ここでも作っているのは抗体だが,ウィルスに対して抗体というのはどの程度の免疫効果があるのだろうか? 抗体はウィルスが細胞中に潜り込んでしまうと無力のはずだが,この抗体は,ウィルスが粘膜に取り付いてから細胞中に潜り込むまでの20分くらいの間にやっつけてくれる程素速く働くのだろうか? それが出来ないとしたら,細胞性免疫が働き出すまで待たなければならないような気がするが・・・
どなたか詳しい方がいらっしゃったら教えて下さい。