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発作性心房細動の発症を機に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)が見つかり,弁形成手術と心房細動に対するメイズ手術(ラディアル手術)を受け,さらに術後に発症した感染性心内膜炎の治療を受けた記録です。

退院後初めての外来

11月27日(金) 退院後1ヶ月 手術後4ヶ月

 退院後,初めての仁田先生の外来。11/2に出た不整脈の,オムロンの携帯心電図計による記録を見てもらい,前に書いたように,「心室期外収縮」との診断を受け,心配ないといわれる。11/2以降も,同じような不整脈が何度か出たが,30分程で自然に治まっていた。大丈夫だろうとは思っていたが,医師に太鼓判を押してもらえると心強い。自分でも「ナースのための早引きモニター心電図ハンドブック」を見て,どのタイプの不整脈なのか調べようとしてはいたのだが,今回の私の不整脈は一定のリズムは保っていたので,一定のリズムから外れて不規則に収縮するものだと思い込んでいた「期外収縮」はノーマークだった。言われてもう一度,ハンドブックを見直してみると,心室期外収縮にも様々な種類があり,その中の二段脈の波形が,確かに私の波形とピッタリ同じ形をしている。

オムロンの心電図計による私の心電図の波形
心室期外収縮二段脈

モニター心電図ハンドブック中の心室期外収縮二段脈の波形の見本
心室期外収縮二段脈_ハンドブックのお手本

二段打ちの二段目が期外収縮に相当するが,特徴は「P波を伴わない幅の広いQRS波とQRS波と反対向きのT波」であり,私の波形にもその特徴が現れている。(仁田先生が言ったのは,「心室期外収縮」という所までで,「二段脈」というのは,本を見ての私の自己診断だが,その後の診察で私が「心室期外収縮の二段脈」と言っても,訂正されることはなかったので,間違いはないだろう。それに確かに二段打ちをしているし。)
 退院間際に行ったホルター心電図の結果を尋ねると,内科から報告が回っていなく,次回までに聞いておくとのこと。まあ,便りがないのは良い知らせということで,問題ないのだろう。
 聴診による心臓の逆流チェックは,問題なし。血圧も正常。体調を聞かれたが,好調。体温も,もともとの平熱である36℃台前半に戻りつつある。今でもときどきなぜか37℃を超えることがあるのだが,全然辛くない。測らなければ気がつかない。
 クレアチニンの値は,1.12mg/dl(前回10/26は1.21mg/dl)で順調に下がってきている。腎臓のために,退院時にはしばらくラーメンは控えようと思っていたが,娑婆に出てラーメンを避けて通ることはやはり不可能だった。ただ,いつも,汁を全部飲みきる前に我に返り,最後の一口だけ汁を残すようになったのが,せめてもの自重である。その他の食事も特に気を使っていない。体重は1ヶ月で2kg戻った。
 先週のエコー検査の結果は問題なかったが,疣贅の器質化(瘢痕化)した痕がもう少し小さくなって欲しいらしく,ワーファリンはそのまま継続となる。ということで,現在飲んでいる薬は
(1)ワーファリン 3.25mg:夕食後。
(2)パリエット 10mg:胃酸の分泌を抑える胃薬。夕食後。
と変わらず。今回初めて,薬を病院外の薬局で貰うことになった。ワーファリンを病院では,3mgを3錠と0.5mgを半分に割ったものを用意してくれていたが,病院外でもちゃんと半分に割ってくれるのかなと少し心配だったが,ちゃんと割ってくれた。割ってくれなくても自分で割ればいいのだが,毎回だと面倒臭い。
 次回の診察は,まだ不安が残っているのだろう,再び1ヶ月後の年明けの1月8日となる。

 診察後,もと居た病室に見舞に行き,旧交を温める。ロビーで話をしているときに,角井先生を見かけた。実は診察を待っているときにも,別の病室から出てきた角井先生を見かけていたので,今日二度目なのだが,相変わらず一点を見据えて忙しそうにもの凄い早足で歩いているので,二度ともあっと気がついたときにはもうかなり先まで歩いていってしまっていて,一言お礼が言いたかったのだが,声を掛けそびれてしまった。

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退院後初めてのエコー検査

11月20日(金) 

 退院後初めての経胸壁エコー検査。元気になってはいるが,
「また再入院になったらどうしよう(´・ω・`)」
という心配も,心の片隅にはあった。
 検査技師さんも,ちょうど再入院のときの技師さんだったので(この方が仁田先生にすぐに連絡してくれるなどの迅速な対応を取ってくれなかったら,その後の病状はもっと深刻なものになっていたかも知れないので,感謝,感謝である),検査終了後,
「今日は帰っても大丈夫ですね?」
と,冗談半分,真面目な気持ち半分で聞いてみると,
「答は,キチンハートさんの顔を見ればわかりますよ」
と言われた。表情が明るくなったということだが,入院中もそんなに暗い顔をしているつもりはなかったんだけどなあ。高熱が出ている時を除けば,結構快適な生活だったし。ただ,体がしんどいと,表情も暗くなるのかもしれない。

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第8脳神経障害?

11月11日(水) 退院後2週間

 退院後1週間くらいまでは,必ず一日一回は37℃を超える微熱が出ていたが(ただし全然辛くない),それを過ぎると,37℃を超えない日が増え始めた。手の平が熱いという,気持ち悪い感じも消えていった。もう,微熱については気にならない。
 恐らく微熱の原因は,再入院のころは感染性心内膜炎によるものだったのだろうが,治療後半に入ってからのは,抗生剤の影響だったのだろう。それも,薬剤の影響が直接現れる薬剤熱というよりも,素人の勝手な推測だが,抗生剤に痛めつけられた腎臓を初めとする内臓の疲労が,間接的に微熱となって現れていたのではないか? 抗生剤治療を終了してもすぐには症状が消えず,体力の回復とともにゆっくりと消えていったことも,このように考えれば矛盾なく理解できる。

 体力も順調に回復をしており,もう1時間くらいの散歩は平気になっている。ただし,昼寝はまだよくしている。(怠け癖が出ているだけかも知れない)

 だが,何だか微妙に変な感じがする。実は,抗生剤治療が終わった直後くらいから感じていたのだが,気のせいかと思っていた。しかし,外を散歩するようになって,気のせいではないと分かった。その感覚とは,歩いたりして体が揺れると,世界が揺れる感じがするというものだ。歩けば多少なりとも頭が揺れ,それにともなって目に写る景色も揺れるはずだが,おそらくその視覚情報を脳内で再生する際に脳が補正をしているのだろう,普通は歩いたからといって,周りの世界が揺れているようには感じないはずだ。ところが,抗生剤治療が終わった頃くらいから,一歩一歩,歩くごとに世界がグラグラ揺れるように感じるのだ。ベッドから起き上がるとき,仰向けの状態から体をクルッと半回転させて立ち上がると,まるで遊園地のビックリハウスの中にいるように,世界が自分を中心にグルッと回転したように感じて,思わずよろけそうになるような気がする。ただ,眩暈のように,じっとしていても景色が勝手にグルグル回るわけではない。頭を固定していれば何も感じなが,頭が加速運動をすると周囲の世界が揺れるのだ。
 微妙な感覚だったので気のせいかとも思っていたのだが,外を散歩するようになって,歩きながら,肩が凝っているときにやるように首を左右に大きくクイックイッと曲げると,世界が右に左に90°,グワングワンと揺れるので,まっすぐ歩くことが出来ず,思わずよろめいてしまう。自動車の通る道路では危なくて頭を振れない。こんなことは以前には決してなかった。

 どうも平衡感覚がおかしくなっているように思え,抗生剤治療の副作用かなと思って調べてみると,正にピッタリの副作用があった。
 私に使われていたゲンタシン(ゲンタマイシン)とタゴシッド(テイコプラニン)に共通する副作用として,「第8脳神経障害」というのがある。脳神経(脳と感覚器官や筋肉や分泌腺をつなぐ末梢神経)には第1脳神経から第12脳神経まで12種類あり,第8脳神経は,聴覚と平衡感覚を司る内耳につながる神経である。第8脳神経障害は,内耳に存在する,平衡感覚を保持する前庭や骨半規管、聴覚の受容器である蝸牛に対する障害によって起こるとされている。
 前庭や骨半規管が傷害されると
・体を動かすとめまいがする
・不安定感
・めまいや平衡感覚の異常のため夜間外出ができない
など症状が現れるそうだ。
徳島薬剤師会のサイトよりより)
私の場合は,前述したように眩暈までは起こしていないが,症状としては似ている。ただ,第8脳神経障害だとしてもごく軽いものなのだろう。ただイヤな感じがするのは,この第8脳神経障害,不可逆とある。(例えば,「感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン 2008年改訂版」)不可逆ということは,一度なったらもう元には戻らないという意味だろう。治る見込みがないというのは気分の悪いものだ。まあしかし,私が何かの運動選手だったら,この第8脳神経障害は致命的な障害になるが,普通に日常生活を営む分には特に困ることもなさそうなので,ま,いっか,と諦めていたのだが,しばらくすると,この症状も消えてしまった。ごく軽微な初期症状だったので例外的に治ってしまったのか,それとも,傷害された神経情報を補完するするよう,脳が上手く適応してくれたのか,あるいは,そもそも第8脳神経障害ではなかったのか,今となっては分からないが,まあ良かった。

 ちなみに,ゲンタシンとタゴシッドに共通する副作用として,腎機能障害もある。特にゲンタシンの毒性は強いようで,Wikipediaにも


すべてのアミノグリコシド系抗生物質(ゲンタシンもアミノグリコシド系)は耳に対し毒性を持つ。前庭神経に対する毒性は平衡感覚障害をきたし、一方蝸牛神経に対する障害は聴覚障害をおこし、まれに聾にいたる。アミノグリコシドの中で、ゲンタマイシンの聴覚毒性は最も強い。聴覚障害は、薬剤中止によってもあまり改善しない。
ゲンタマイシンは高い腎毒性をもち、場合によっては急性腎不全に至ることがある。腎障害は、薬剤中止によって改善することが多い。


とある。さらに,グリコペプチド系のタゴシッドをアミノグリコシド系のゲンタシンとともに用いると,相互作用により腎障害や聴覚障害を増強するおそれがあるという。

 8週間もかなり毒性の強い抗生剤を使っていたのだから,腎機能障害をはじめ,様々な副作用が現れるのも仕方がないか。

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突然の動悸

11月2日(月) 退院後5日目

 心配していた微熱だが,相変わらず,いまだに夜には37℃を超える。しかし退院翌日には,「これは大丈夫だな」と思えた。なぜなら,全然辛くないからだ。1度目の退院の時とは明らかに違うことは,同じ条件の家に帰ってきて確信できた。37℃を超えても,検温しなければ気がつかない程だ。寒気なども全くない。手の平もまだ温かくて気持ち悪いが,再入院前の熱さに比べれば大したことはない。

 二ヶ月以上(最初の入院から数えれば4ヶ月近く),ほとんどベッド上で過ごしてきたので,体力がガタ落ちしていて,すぐに疲れてしまうが,その疲れも変な疲れではなくて,普通の,寝れば治るような疲れである。

 最初の退院の時は,仕事復帰の予定日まで二週間ちょっとしかなく,気持ちが焦っていて,退院翌日からリハビリとしての散歩を始めたが,今回は来月まで仕事の予定はなく,焦らずボチボチ体力の回復に努めるつもりだ。
 しかし考えてみると,前回の退院時には,焦っていて本当に良かったと思う。これがもし,今回のように余裕のスケジュールだったら,体調が悪いのも「日にち薬」が治してくれるのを待つしかないと,のんびり1ヶ月後の外来予定日を待っていたことだろう。そうしたら,その間に私の僧帽弁は回復不能な程に細菌(表皮ブドウ球菌)に食い荒らされ,外科治療が不可避になっていたかも知れない。焦ると失敗することが普通だと思うが,今回,生まれて初めて,焦ったことで得をした。

 そんなわけで,ブラブラとゴロゴロの,ゴキゲンな理想生活を送っていた所,突然,心臓が,バッコン,バッコンとすごい打ち方をし始めた。「ん?何だ?」と思って,脈を測ってみると,なんと50bpmの徐脈になっているではないか。これまでは90~100bpmという多目の心拍数だった(ネット上の体験談で,術後1~2年はそういうこともあると聞いていたので,速めなのは気にしていなかった)のが,いきなり半減である。このまま減り続けたら止まってしまうのではないかと心配になる。深呼吸をしたり,しばらく横になってみたりしてしばらく様子を見てみるが,治る気配はない。ここで思い出したのが,術前に心房細動の発作が起こったときのために買って,全く使っていなかった,OMRON HEALTHCARE 携帯心電計 HCG-801である。これを取り出してきて,測ってみると,意外にも心拍数は100bpm近くあった。ただ波形を見てみると,下に示したように,強い拍動と弱い拍動が交互に出ていて,弱い拍動の方が脈として感じられなかったようだ。なので半分の50bpmと感じられたようだ。
心室期外収縮二段脈

そう言えば,退院間際にも,強い脈と弱い脈が交互に出る状態(交互脈)があったが(→10/15の日記),あのときは,弱い方の脈も自分で感じられたし,こんなに心臓がバッコンバッコン暴れているような感じもなかったが,きっとあれと同じタイプの不整脈なんだろうと(実際は違うようだが)この時は思った。
 収まる気配のない,この不整脈を放っておいて良いものかどうか,思案に暮れているときに思い出したのが,退院時
「何かあったら電話して下さいね。」
という医師や看護師さんの優しい言葉だ。そうだ,とりあえず,日本海大学病院に電話して聞いてみよう。ということで電話をすると,いつものように日本海大学病院の受付は,呼び出し音が鳴る前に素速く電話に出る。受付の電話対応は素晴らしく感じが良い。事情を説明すると,この前まで入院していた内科病棟のナースステーションに繋いでくれた。しばらく待つと,師長が電話に出てくれる。
「かくかくしかじか,こういうわけなんですが,どうしたらよいでしょうか?」
と尋ねると
「しばらく様子を見て,治らないようだったら外来に来て下さい。」
とのこと。こんな回答,何も答えていないのと同じだ。そんなことは聞かなくったってわかる。
「何かあったら電話して下さい」
と親切そうに言っておきながら,いざ実際に電話をすれば,こんなおざなりな対応かよ,という思いで,ムッカーと腹を立て電話を切ったのだが,その瞬間,ピタリと不整脈が止まった。どうやら気合いが入ったので,寝ぼけていた心臓の神経も覚醒してくれたようだ。不整脈は精神の影響を受けやすいので,少々なら気合いで治せるか?

  携帯心電図計の測定結果を,次回の仁田先生の外来(11/27)にときに持って行って聞いてみると,「心室期外収縮の二段脈」というタイプの不整脈で,特に心配はないタイプの不整脈とのことだった。そう言えば,手術後数日間,心臓がやけに強く打っている感じがして,二段脈と言われたが,あれと同じなのだろうか?(二段脈には心室期外収縮と上室期外収縮がある) 初めて携帯心電図計が役に立った。



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