鬱血性心不全のため入院していたエリザベス・テイラーさんがお亡くなりになった。名前くらいは知っているが,私は女優としてのこの方についてはほとんど何も存じ上げない。ただ,私の手術と同時期に心臓手術,それもはっきりと公表されているわけではないようだが,私と同じ僧帽弁閉鎖不全症の手術を受けられたというニュース
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/special/2009sainan/KFullNormal20091008077.htmlがあったので,記憶に辛うじて引っかかっていた。
『開胸手術ではなく、「最新の処置」による手術』ということなので,この↓YouTube動画
のように,カテーテルを用いて僧帽弁の前尖と後尖をクリップで留めてしまうという,マイトラクリップ(MitraClip)を用いた手術だと考えられているようだ。(
http://www.heart-valve-surgery.com/heart-surgery-blog/2009/10/06/elizabeth-taylor-heart-valve-surgery/)
ミリ単位の繊細さが要求されると思われる開胸手術に比べると,ずいぶんと乱暴な治療法に思えるし,何だが逆に僧帽弁狭窄症の症状を呈してしまいそうな印象を受けるが,術後の中期成績は悪くないようだ。
http://teefan.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/mitraclip-evere.html開胸手術に耐えられる体力がないときの代替手段としては良さそうに思える。
ところで,テイラーさんの「鬱血性心不全」というのは,一昨年の手術と関係あるのだろうか?
追記:2011年3月26日
この記事の題名は,最初「ミトラクリップ」としていましたが,Nanjomさんから「マイトラクリップ」と呼ぶのが一般的とのご指摘を頂きましたので,「マイトラ」に訂正しました。
Nanjomさんは,経皮的大動脈弁留置術に関わる医療器機メーカーにお勤めとのことですが,「経皮的大動脈弁留置術って何だ?」とお思いの方もいらっしゃると思いますので,経皮的大動脈弁留置術のTAVI(Transcatheter Aotic Valve implantation)の動画を張っておきます(TAVIは様々な経皮的大動脈弁留置術の一つなのかもしれませんし,経皮的大動脈弁留置術の総称なのかもしれませんし,今のところ,経皮的大動脈弁留置術と言ったらこの方法しかないのかも知れません。そこら辺はよく分かりません。また,動画のタイトルにある「Implementaiton(実行)」は「implantation(移植)」の誤植だと思います)。動画を見て判断する限りでは,大動脈弁狭窄症に対し,カテーテルで折り畳まれた人工大動脈弁を狭窄した大動脈弁の所に持って行き,そこで人工弁を膨らませて狭窄した大動脈弁を押しつぶし,人工弁を留置するという大胆な治療法のようです。
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日本語訳ですが、日本ではまだ未承認品ですが、当該製品のメーカー、ドクターはマイトラクリップと呼んでいます。
ご指摘ありがとうございます。メーカーの方に直接ご指摘いただけると,非常に助かります。早速,訂正させていただきます。
これからも何かありましたら,ご指摘のほど,よろしくお願いします。また,御社の製品に将来お世話になるかもしれませんので,開発,改良の方もよろしくお願いいたします。m(_ _)m