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発作性心房細動の発症を機に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)が見つかり,弁形成手術と心房細動に対するメイズ手術(ラディアル手術)を受け,さらに術後に発症した感染性心内膜炎の治療を受けた記録です。

ハートのペースが出てこない

2月2日(月)

 AM1:00頃,ひどい不整脈になっていることに気付いた。(後に「不整脈だとどうして気付いたの?」と聞かれ,初めは質問の意味が分からなかったのだが,普通の人は自分の心拍を感じない事が多いらしい。弁膜症の人は拍動が強くなるせいか,自分の心拍を感じられる人が多いようだ。私などじっと座っているときなど,自分の脈動で地震かと勘違いすることもよくあった。しかし,それが普通だと思っていた。)
もともと高校時代から「ウエンケバッハ型の2度房室ブロック」という不整脈を持っており,当時,検査をして心配ないといわれ,その後,二度と検査をすることもなかった。この不整脈は,例えば3回に1回,規則正しく心臓が拍動を休むといった感じの乱れ方で,安静時に現れ,運動時には消える。持ち主に似て心臓も怠け癖があるのだろうと思って,全く気にしていなかった。
 ところが今回の不整脈はもっと滅茶苦茶な乱れ方をしていて,全く一定のリズムというものがない。蒲団にもぐり込んでも一向に治まる気配がない。別に苦しくはないのだが,自分の心臓が全く調子はずれの動き方をしているというのは気持の悪いものだ。
 そこで,再び起きあがって,体操やスクワットなどをしてみる。普段の不整脈なら少し運動をすれば消えるはずなのである。しかしどうやっても治らない。しかたがないので寝ることにした。どうせ朝までには治っているだろうと高をくくっていた。

 しかし朝起きてみても,しっかりと不整脈は残っている。
 心当たりはあった。ちょうど1週間ほど前,半分埋伏していた親知らずの抜歯をしたのだが,その後,顎は腫れ上がり,この1週間まともに口が開けず,熱も2日間ほど出た。不整脈はストレスと密接な関係があるので,この親知らず抜歯のストレスが原因なのではないかと思った。
 放っておこうかとも思ったが,この時期仕事も暇だったこともあり,近所の小さな病院に行ってみることにした。
 高校時代の検査の記憶などもうなくなっているので,不整脈というのは何科に行けばよいのかもわからず,漠然と心臓に関係するので心臓外科かな,などと思っていたが,受付で聞いてみると循環器内科だという。当時,循環器という単語と心臓が結びついてさえいなかった。
 ところが生憎,この日は循環器内科の医師がいないので,循環器内科の医師がいる木曜か金曜にあらためて来てくれと言われ,無駄足を嘆きつつ帰り始めたが,何気なく受付でもらった,曜日ごとの開設科の一覧表を眺めてみると,今日月曜もしっかりと循環器内科が開設されているではないか。
 すぐ病院に引き返して聞いてみると,「あれ~,稲井先生って循環器だっけ?」「そうなの?知らな~い」「でも,そう書いてあるんだからそうなんじゃない?」などという会話の結果,今日は循環器内科の先生がいるということに決まった。
 なんでも担当の稲井先生という方が最近この病院に来たばかりで,受付の人は一般内科だと思いこんでいたらしい。
 ということで,診察を受けることができた。これは非常に幸運なことであった。というのも,くだんの不整脈は翌日には消えてしまったので,もし,この月曜日に見てもらわなかったら,あらためて木曜か金曜にこの病院に出直すことはなかったと思う。そうすると弁膜症も,おそらく軽く心不全でも起こすまで発見が遅れることになったはずだ。

 早速,心電図をとると教科書通りのきれいな不整脈が計測され,すぐに「心房細動」という診断がついた。このように↓↓↓心房が痙攣をしているような不整脈である。

 稲井先生は,心臓細動には心房細動が時々出現する発作性のものと,ずうっと心房細動の状態を持続する慢性のものとがあり,心臓で形成された血栓が飛ぶことによって生じる心源性の脳梗塞(上の動画参照)や心筋梗塞のリスクを高める危険な不整脈であること(小渕元首相,長嶋元監督,サッカーのオシム元監督の脳梗塞もこれが原因だということを後で知った),しかも一見,慢性の方が重症のように思えるが,梗塞を起こすリスクは発作性と慢性とで変わりがないこと,薬物療法の場合はレートコントロール(心房細動のままのまま心拍数をゆっくりにする)とリズムコントロール心房細動を止める)があるが,いずれにしても一生,薬を飲み続けなければならないこと,根治療法としては,カテーテルアブレーションといって,足などの血管から心臓までカテーテルを入れ,心臓の一部を焼くという療法があるが,これによって心房細動が消える確率はまだ50~60%に過ぎないこと(発作性心房細動に限ればこの成績はもっと良くなるようだ。下の動画の施設では90%以上と言っている)などを説明してくれた。

カテーテルアブレーションの動画


 当時の私の心境としては,カテーテルアブレーションなど説明を聞くだに恐ろしい療法で,そんな療法を受けるなど問題外という感じだった。
 かといって,一生薬を飲み続けるのもいやなので,放っておいたらどうなるのか聞いてみると,CHADS2スコアという簡単なリスク評価からの帰結としては,1年間に脳梗塞を起こす確率が私の場合だと2%程度だという。するとおよそ10年で20%,35年で50%ということになる(ただし,これはリスクを不変と仮定しての話だが,実際には加齢によってリスク評価のランクはさらに上がる)ので,放っておいてもいいような,心配なような,なんとも微妙な数値である。
 おそらくこの時点で,稲井先生は聴診器による診察で私の心雑音から弁膜症の疑いを持っていたはずだが,余計な心配をさせないための配慮か,弁膜症については一言も触れなかった。心臓エコーホルター心電図(小さい心電図計を体にとりつけ,24時間,心電図を計測し続ける)の予約をとることを指示され,薬も処方されず,この日は終わった。

  翌日2月3日(火)の朝もしっかり心房細動は残っていたが,午前中,先週抜いた親知らずの跡の抜糸をし,スッキリした気分でいると,午後3時頃に気づいたときには,きれいに洞調律(正常な脈)にもどっていた。慢性ではなく,発作性の心房細動だったということになる。
 やはり,親知らず抜歯のストレスのせいだったんだと,独り合点していたが,この日買った数冊の心房細動に関する本を読むと,発作性心房細動というのは,48時間以内に自然消滅するものであるそうなので,「抜糸でスッキリ」とは無関係に,そろそろ止まる頃合いだったのだ。

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2010/01/10(日) 00:21 | | #[ 編集]
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